家でできる運動不足解消。外に出ずに続ける軽い習慣

家のリビングで運動不足を解消するために家でできる運動をする女性
写真: Shixart1985 / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

外に出る気力がない日でも、家の中でできることはたくさんあります。着替えも移動も天気も関係なく、テレビの前のスペースさえあれば十分です。ジムや公園まで行くのが面倒で動かなくなっている人ほど、家から一歩も出ないやり方が合います。道具も着替えもいらないので、思い立った数分でそのまま始められます。

結論:外に出なくても運動不足は解消できる

先に答えを書きます。運動不足を解消するのに、外に出る必要はありません。家の中で足踏みやもも上げを2〜3分、家事の合間にスクワットを数回。これを毎日積み重ねるだけで、十分に身体活動の量は増えます。

厚生労働省のアクティブガイドは、国民向けの第一歩として「今より10分多く体を動かそう(+10/プラス・テン)」を勧めています(アクティブガイド/e-ヘルスネット)。この+10で死亡リスクが約2.8%、生活習慣病の発症が約3.6%下がる可能性が示されています。10分は、テレビを見ながらの足踏みでも、洗い物のあいだのつま先立ちでも作れる長さです。外に出ないと運動できない、という思い込みを外すと、急にハードルが下がります。

運動不足解消の全体像や公的な目標値は運動不足解消の始め方にまとめています。この記事はそのなかでも「外に出ずに家の中で完結させる」ことに的をしぼっています。

器具なしでできる家の中の有酸素運動

有酸素というと走るイメージがありますが、家の中で十分にできます。少し息が弾むくらいの動きを続ければ、それで有酸素運動です。次の4つは、どれも道具がいりません。

その場足踏みともも上げ

いちばん手軽なのが、その場での足踏みです。テレビを見ながら2〜3分、腕も軽く振って歩くように足を動かします。慣れてきたら、ももを腰の高さ近くまで上げる「もも上げ」に切り替えると、心拍がしっかり上がります。最初から頑張りすぎず、息が少し弾むくらいで止めておくのがコツです。

踏み台・階段の昇り降り

家に階段があるなら、それが立派な運動器具になります。階段がなければ、玄関の上がり框や厚めの本を重ねた段差でも代用できます。1段を上って下りるだけの動きを、リズムよく数分。膝に不安がある人は、低い段差から無理のない範囲で始めてください。

ラジオ体操という選択肢

何をやるか迷うなら、ラジオ体操が無難です。約3分で全身をひと通り動かせて、構成が決まっているので考えずに体を動かせます。動画を流しながらやれば、フォームを思い出す手間もありません。朝の決まった時間にやると、生活のリズムも整いやすくなります。

厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、成人に「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」を勧めています(身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:成人版)。週60分は、1日あたりにならすと10分弱です。家の中の有酸素を毎日少しずつ積めば、無理なく届く範囲です。

家の中でできる軽い筋トレ

有酸素だけでなく、軽い筋トレを少し混ぜると、体を支える力が落ちにくくなります。同じガイドは「筋力トレーニングを週2〜3日」も勧めています。きつい種目は要りません。回数も少なくていいので、家の床でできる軽いものから入ります。

家のヨガマットの上でプランクをして運動不足を解消する女性 写真: Shixart1985 / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

下半身:椅子スクワットとかかと上げ

下半身には大きな筋肉が集まっているので、ここを動かすと効率がいいです。きついフルスクワットでなく、椅子から立ったり座ったりをゆっくり繰り返す「椅子スクワット」なら、運動が久しぶりの人でも安全です。台所に立っているあいだに、かかとを上げ下げするだけのつま先立ちも、ふくらはぎに効きます。

体幹:プランクと壁腕立て

体幹を支えるプランクは、場所も道具もいらないのに効きます。肘とつま先で体を一直線に支えて、まず20秒。お尻が上がったり腰が落ちたりしないよう、横から見て板のようにまっすぐを意識します。上半身を動かしたいときは、壁に手をついて押し返す壁腕立てから。立ったままできるので、床に寝そべるのが億劫な日でも続けられます。

種目を増やしたくなったら、宅トレのメニュー解説で曜日ごとの組み方まで紹介しています。ただ運動不足を解消したいだけなら、ここまでの軽い筋トレで十分なスタートになります。

「ながら運動」で家事の時間を運動に変える

まとまった運動の時間が取れない人ほど、家事や生活の動作に運動を混ぜると楽です。新しく「運動の時間」を作ろうとすると挫折しやすいので、すでに毎日やっていることに乗せてしまいます。

家事のついでにできること

  • 料理で煮込んでいるあいだに、その場で足踏み
  • 洗濯物を干しながら、軽くスクワットを数回
  • 掃除機をかける動きを少し大きくして、体をひねる
  • 食器を洗いながら、つま先立ちでかかとを上下させる

どれも「運動した」という気負いがいらないので、続けるハードルがとても低いです。家事はどのみち毎日やることなので、そこに小さな動きを足すだけで、合計の活動量は確実に増えます。

歯みがき・テレビ時間の活用

  • 歯みがきの2〜3分、つま先立ちでかかとを上げ下げする
  • テレビのCMのあいだにスクワット10回、または足踏み
  • ドラマを1話見るあいだ、ストレッチをしながら見る

こうした細切れの活動の積み重ねが、結局いちばん長持ちします。ながら運動の幅は器具なし自宅メニュー集でもっと細かく紹介しているので、家事と組み合わせたい人はそちらも参考にしてください。

座りっぱなしを減らすことも立派な運動不足対策

家にいる時間が長いと、つい一日中座りっぱなしになりがちです。長く座り続けること自体が、運動不足とは別の健康リスクになります。動く時間を増やすのと同じくらい、座る時間を区切ることが大事です。

家のリビングのソファでストレッチをして運動不足を解消する女性 写真: Shixart1985 / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

座りすぎが体に与える影響

e-ヘルスネットによると、総座位時間が最も長い群は最も短い群と比べて、総死亡リスクが約1.58倍、心血管疾患による死亡リスクが約1.89倍高いと報告されています(座位行動と死亡率の関係/e-ヘルスネット)。テレビ視聴に伴う座位時間が1日3〜4時間を超える人は、それ未満の人よりリスクが高いとも示されています。在宅ワークやおうち時間が長い人ほど、ここは見落とせません。

30分に1回、立ち上がる仕組み

対策はシンプルで、座り続ける時間を区切るだけです。

  • 30分〜1時間に1回は立ち上がって、ふくらはぎを伸ばす
  • 座ったまま、かかとを上げ下げする(20回)
  • 座ったまま片脚ずつ膝を伸ばして数秒キープする
  • オンライン会議は音声だけにして、立って歩き回りながら受ける

タイマーやスマホのリマインダーをかけておくと、忘れずに立ち上がれます。座りっぱなしを減らすこと自体が運動になる、と考えると気が楽になります。何から手をつけるか迷う人は運動不足は何から始める?で、最初の一歩の選び方を整理しています。

1日の合計時間の目安と、続けるコツ

家でやると、つい「これだけで足りているのか」が分からなくなります。目安を持っておくと、やりすぎて疲れることも、少なすぎて意味がないと感じることも避けられます。

1日の合計時間の目安

厚生労働省のガイドが成人に示す目安は、歩行と同等以上の身体活動を1日合計60分(約8,000歩相当)です。ただしこれは「ゴール」であって、いきなり目指すものではありません。今ほとんど動いていない人なら、まずは+10、つまり今より10分多く動くところから。家の中の足踏みやながら運動を細切れに足して、合計で20分、30分と増やしていけば十分に前進です。きっちり時計で測る必要はなく、「今日はけっこう動いたな」という感覚で構いません。

続けるための小さな仕掛け

家での運動はいつでもできる分、つい後回しにして結局やらない日が続きがちです。だからこそ、続けるための小さな仕掛けが要ります。

すでに毎日やっている家の行動に、運動を貼りつけるのが効きます。朝のコーヒーを淹れる前に足踏み、入浴の前にストレッチ、というように、時間を決めるより「あの行動のあと」と決めるほうが生活に溶け込みます。やった日だけカレンダーに印をつけると、連続が途切れるのが惜しくなって続きます。記録で習慣を後押しする方法は習慣化アプリの選び方にまとめました。

最近は、運動するたびにアプリの中で相棒が育つ、という仕組みで「やりたくなる」状態を作る方法もあります。家で一人だと続かない人ほど、こうした仕掛けの力を借りる価値があります。

まとめ:今日、家の中で2分動いてみる

家でできる運動不足解消に、特別な器具も、外に出る気力もいりません。テレビの前で足踏み2分、煮込みのあいだにスクワット数回、座りっぱなしを30分で区切る。それを明日も繰り返せる軽さに保つ。やることはそれだけです。

まずは今、この記事を閉じたあとに、その場で2分だけ足踏みしてみてください。それが家の中での運動不足解消の、いちばん確実な一歩になります。運動を一人で続けるのが苦手なら、続けること自体を楽しくする仕組みに頼るのも賢い選択です。

よくある質問

家の中だけで運動不足は解消できますか?
できます。厚生労働省のアクティブガイドは「今より10分多く動く(+10)」を国民向けの最初の一歩として勧めていて、外に出るかどうかは条件になっていません。その場足踏みやもも上げ、家事の合間のスクワットだけでも、合計で動いた時間は積み上がります。大事なのは強度より、毎日続けられる軽さにすることです。
家でできる有酸素運動は何がありますか?
その場足踏み、もも上げ、階段や踏み台の昇り降り、ラジオ体操が代表的です。どれも器具がいらず、テレビを見ながらでもできます。息が少し弾むくらいの強さで2〜3分から始め、慣れたら時間を伸ばします。雨の日でも天候に左右されないのが、家の中で有酸素をやる一番の利点です。
デスクワークで座りっぱなしです。家でできる対策は?
1時間に1回立ち上がるだけでも前進です。e-ヘルスネットによると、総座位時間が長い群は短い群より総死亡リスクが約1.58倍高いと報告されています。立ってかかとを上下させる、座ったまま膝を伸ばす、オンライン会議を立って受ける、といった小さな中断を挟むと、座り続ける時間を細切れにできます。

この記事を書いた人

Yuki

睡眠・暮らしの健康担当

睡眠・食事・暮らしの健康を担当。運動の前後の過ごし方が、結果を静かに左右するという視点で書いています。