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ジムが続かない人へ|原因と「やめても運動はやめない」方法

ジムが続かず自宅で運動を始める人

ジムに入会して数ヶ月。気づけば足が遠のいて、月会費だけが毎月引き落とされている。思い当たる人は、けっこう多いと思います。でも、それで自分を責めるのはちょっと違います。ジム通いって、そもそも続けにくいんです。

家を出て、着替えて、移動して、また帰ってくる。やる気のある月初は平気でも、残業で疲れた日や雨の日には、この往復がやけに面倒に思えてきます。一度サボると翌週はもっと腰が重くなって、そのまま幽霊会員のできあがり。珍しくもなんともない、ありふれた話です。

ただ、続かないのにはちゃんと理由があって、行動科学と公的なデータを見ていくとはっきりしてきます。理由がわかれば、打ち手も変わります。ジムが合わないなら、いっそやめてしまって、運動だけ続ける手もあります。そのあたりまで具体的に書いていきます。

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まず結論:ジムが続かないのは「意志」ではなく「摩擦」の問題

先に答えを書きます。ジムが続かないかどうかを分けているのは、根性でも向上心でもありません。運動を始めるまでにどれだけ「摩擦」があるか、ほぼこれだけです。

摩擦というのは、行動を起こすまでにかかる手間のこと。ジムの場合、着替える・荷物を準備する・移動する・空いているマシンを待つ、と摩擦が何重にも積み上がっています。やる気が高い日はこの摩擦を越えられますが、やる気は毎日同じ高さでは保てません。疲れた日や忙しい日に摩擦がやる気を上回った瞬間、人は行かなくなります。

だから対策は、やる気を絞り出すことではなく、摩擦を減らすことです。これが行動科学の基本的な考え方です。スタンフォード大学のBJ・フォッグ博士が提唱するタイニー・ハビット(小さな習慣)も、「行動を起こしやすくするほど、その行動は続く」という原則に立っています。ジムが続かない人がまず変えるべきは、自分の性格ではなく、行動までの段取りです。

「続かない」のはあなただけじゃない

数字を見れば、続かないのが普通だとすぐ分かります。厚生労働省の定義で「運動習慣あり」とされるのは、週2日以上・1回30分以上・1年以上継続しているの3つすべてを満たした人です。この条件をクリアしている日本の成人は、令和元年時点で28.7%にとどまります。

裏を返せば、7割以上の人が1年続く運動習慣を持てていないということです。ジムであれ自宅であれ、運動を1年続けるのはそれくらい難しい。だから「自分は意志が弱い」と落ち込む必要はありません。仕組みを変える側に頭を使ったほうが、ずっと前に進めます。

続かない最大の理由は「時間がない」

ではなぜ続かないのか。これも推測ではなくデータがあります。令和元年の国民健康・栄養調査で「運動習慣の定着を妨げているもの」を尋ねたところ、運動を改善するつもりの人の回答で最も多かったのは「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」でした。

ここが大事なポイントです。多くの人はやる気がないから続かないのではなく、時間という現実の制約で続かなくなっています。だとすれば、片道30分かけて通うジムは、時間に追われている人ほど真っ先に削られる候補になります。続けたいなら、まず「時間がなくても回る形」に運動を寄せる必要があります。

ジムが続かない4つの理由を分解する

「気合いが足りない」で終わらせると何も変わりません。原因を具体的に分けると、打ち手も具体的になります。ジム通いが途切れる理由は、だいたい次の4つに集約されます。

ジムに通うのが続かず仕事帰りに疲れて立ち寄れない人 Photo by Andres Ayrton on Pexels

1. 行くまでの摩擦が大きい

前述のとおり、これが根本です。ジムは行動を起こすまでの手間が多すぎます。距離が遠いほど、駐車場が混むほど、更衣室が使いにくいほど、摩擦は増えます。家から徒歩15分以上のジムは、契約した時点でやや不利だと思っておいたほうがいい。続く人の多くは、たまたま意志が強いのではなく、たまたまジムが近かったりします。

2. 最初の目標が高すぎる

入会直後は気持ちが高ぶっているので、「週4回通う」「1回2時間やる」のような重い目標を立てがちです。ところがこの計画は、忙しい1週間が来た瞬間に丸ごと崩れます。そして1回崩れると「もう今週はいいや」となり、翌週はもっと腰が重くなる。最初に高く設定するほど、挫折したときの落差も大きくなります。

3. 楽しみがなく孤独

ジムで一人、黙々とマシンを使う時間は、好きでなければただの作業です。報酬が「数ヶ月後の体型変化」しかないと、その間ずっと我慢が続きます。人は遠い報酬のために行動を維持するのが苦手です。途中の楽しみや、今日のうちに得られる小さな達成感がないと、心が先に折れます。

4. 「いつでも行ける」が裏目に出る

24時間ジムが続かない人によくあるのがこれです。いつでも行けるという自由は、裏返すと「今日でなくてもいい」という先延ばしの言い訳になります。選択肢が多いほど人は決断を後回しにします。自由度の高さは、必ずしも継続率の高さにつながりません。むしろ「行く日と時間が決まっている」ほうが、人は動きます。

ジムを続けたいなら:摩擦を削る具体策

ジムそのものを続けたい人向けに、まず現実的な打ち手を並べます。共通する考え方は、やる気を上げるのではなく摩擦を下げることです。

行く曜日と時間を先に固定する

「週3回」だけだと、その週の後半に「まだ1回しか行ってない」と焦って崩れます。月・水・金の朝、火・木・土の夜、のように曜日と時間まで決めてしまいましょう。そうすると毎回「今日行くか?」を判断する必要がなくなります。この判断の隙が、サボる隙になります。やる日を決めて、考える余地を消すのがコツです。

ジムの前後を既存の習慣にくっつける

新しい行動は単独で始めるより、すでにある習慣の直後に差し込むほうが定着します。「会社帰りに最寄り駅で降りずにジムの駅で降りる」「子どもを送ったその足でジムに寄る」のように、毎日やっている行動にくっつける。行動科学で「習慣の積み重ね(ハビット・スタッキング)」と呼ばれるやり方で、新しいきっかけを覚えずに済むぶん崩れにくくなります。

「最低ライン」を笑えるほど低く決める

行く気がしない日のためのルールを先に作っておきます。「気が乗らない日は15分で帰っていい」「ストレッチとマシン1種目だけでOK」。これを例外ではなく正式なルールにします。大事なのはゼロの日を作らないこと。行きさえすれば、勢いで結局1時間やる日も多い。やる気は始めた後についてくることのほうが多いからです。同じ考え方は筋トレが続かない人向けの記事でもくわしく扱っています。

ジムをやめても運動はやめなくていい

ここからが、ジムチェーンのサイトには絶対に書いていない角度です。摩擦を削ってもジムが合わないなら、ジムをやめる選択は全然アリです。ただし、ジムをやめることと運動をやめることは別の話。ジムは運動を続けるための手段のひとつであって、目的ではありません。

ジムをやめて自宅でマットの上で運動を続ける人 Photo by Ron Lach on Pexels

自宅運動は摩擦がほぼゼロ

続かない最大の原因が「行くまでの摩擦」なら、その摩擦をまるごと消せるのが自宅運動です。移動なし、着替えほぼ不要、天候も関係なし、人目もなし。ジムでできるトレーニングの多くは、実は自宅でも代替できます。

しかも自重運動は立派な筋トレです。厚生労働省も腕立て伏せやスクワットといった自重種目を筋力トレーニングに含めています。マシンがなくても、スクワット・膝つき腕立て・プランクの3つを回すだけで下半身・上半身・体幹をひと通りカバーできます。何をやればいいか迷う人は、部位別・レベル別にまとめた宅トレの完全ガイドを見てください。

まず生活の中の動きを増やす

ジムをやめた反動で「もう全部やめた」になるのが一番もったいない。そうならないために、運動のハードルを一気に下げます。厚生労働省が国民向けに勧める行動目標が「+10(プラステン)」、今より10分だけ多く体を動かすことです。これだけでも死亡リスクが約2.8%下がる可能性が示されています。

一駅歩く、階段を使う、昼休みに建物の周りを一周する。運動着もシューズもいりません。ジムで2時間追い込めなくても、毎日10分多く動けるほうが、長い目で見れば確実に体は変わります。運動不足の解消を一から組み立てたい人は、運動不足解消の総合ガイドに全体像をまとめてあります。

短くても「毎日少し」が勝つ

週1回ジムで頑張るより、自宅で毎日5分のほうが習慣として強い、という場面は多い。習慣の定着を実際に測ったロンドン大学(UCL)のフィリッパ・ラリーらの研究では、ある行動が考えなくてもできるようになるまで平均66日かかりました。週1回の頻度では、この66日分の反復をためるのに時間がかかりすぎます。頻度を上げやすい自宅運動のほうが、習慣化という点では有利なことが多いのです。

続けるための仕上げ:達成感を「今日」受け取る

最後に、ジムでも自宅でも共通して効く話をひとつ。続かない人の多くは、報酬の遅さでつまずいています。見た目の変化は早くても4〜8週間先。その空白を埋める「今日の達成感」を、仕組みで用意しておきます。

記録をつけて連続日数を惜しくする

カレンダーでもアプリでも、やった日に印をつけるだけでいい。連続日数が見えてくると、それを途切れさせたくない気持ちがブレーキになって、なんとなく続いてしまいます。体重はすぐ変わりませんが、「プランクが15秒から40秒に伸びた」は確実な前進です。成果の物差しを体重計の外に置くと、結果が出るまでの数週間をつなげます。記録機能の観点でのアプリ選びは習慣化アプリの選び方で整理しています。

楽しみを運動に持ち込む

続く運動には、たいてい楽しさが混じっています。好きな音楽、続きが気になるドラマ、景色のいい散歩道。運動そのものが苦痛なら、苦痛を上書きする楽しみを横に置きましょう。最近は、運動するとアプリ内のキャラクターが育つ、ゲームのように記録が積み上がる、といった仕組みで「やりたくなる」状態を作る方法も増えています。ジムが続かなかった人ほど、自宅で続く形を見つけたときの効果は大きく、やる気が出ない日の最後のひと押しとして、こうした仕組みの力を借りるのは賢いやり方です。

ジムが続かないのは、能力や根性の問題ではありません。摩擦が大きすぎたか、ハードルを高く置きすぎたか、楽しみが足りなかったか、そのどれかです。ジムを続けるなら摩擦を削る。合わないなら自宅に逃げる。どちらにしても、運動そのものをやめる理由にはなりません。まずは今日、10分多く歩くか、スクワット5回からで構いません。

よくある質問

ジムが続かない原因は何ですか?
意志の弱さというより、行動設計の問題であることがほとんどです。ジムは「家を出る・着替える・移動する」という摩擦が大きく、忙しい日に真っ先に削られます。実際、令和元年の国民健康・栄養調査でも、運動習慣の定着を妨げる理由のトップは「仕事や家事が忙しくて時間がないこと」でした。気合いではなく、続けやすい形に変えることが先です。
ジムに1年通い続ける人の割合はどのくらいですか?
ジム単体の正確な公的統計はありませんが、運動習慣の定着がいかに難しいかは数字に出ています。運動習慣あり(週2日以上・1回30分以上・1年以上継続)の人は日本の成人で28.7%にとどまります。つまり7割の人は何らかの運動を1年続けられていません。続かないのはあなただけではなく、むしろ普通です。
ジムが続かない人の特徴はありますか?
通う頻度や曜日を決めていない、いきなり週4〜5回など高い目標を立てる、ジムが家や職場から遠い、一人で黙々とやって楽しみがない、という人は途切れやすい傾向があります。逆に言えば、頻度を固定し、距離の摩擦を減らし、楽しみを足せば続きやすくなります。
ジムをやめたら運動はどうすればいいですか?
ジムをやめても運動までやめる必要はありません。スクワットや腕立て、その場足踏みといった自重運動は自宅でできて、厚生労働省も筋トレに含めています。むしろ移動も着替えもいらない自宅運動のほうが、摩擦が少なく続けやすい人も多いです。ジムは続けるための手段のひとつにすぎません。
24時間ジムなら続きますか?
24時間ジムは「いつでも行ける」のが利点ですが、それが逆に「いつでも行けるから今日は行かなくていい」になりやすい弱点でもあります。続けるコツは時間を自由にすることより、行く曜日と時間をあらかじめ固定してしまうことです。選択肢が多いほど人は先延ばしします。
女性でジムが続かないのですが、どうすればいいですか?
人目が気になる、更衣やメイクの手間が大きい、生活リズムが変わりやすいといった摩擦が重なると途切れやすくなります。性別の問題ではなく摩擦の量の問題です。器具なしの自宅運動に切り替える、短時間でも頻度を保つ、続くと達成感が見える仕組みを使う、といった工夫で続けやすくなります。

この記事を書いた人

Leo

初心者トレーニング担当

初心者向けの筋トレ・自重トレを担当。器具やジムがなくても自宅で安全に続けられるやり方を、やさしく解説しています。