運動不足解消を自宅で。器具なし1日5分のメニュー集
仕事から帰って、もう外に出る気力はない。それでも体は動かしたい。そういう日にこそ、自宅で器具なしでできる運動が効きます。着替えも移動もいらないので、運動を始めるまでの面倒がほとんどない。この面倒の少なさが、続くかどうかを左右します。1日5分でいいので、まずは準備のいらないものを一つ選んでみてください。
結論:自宅運動は「強度」より「毎日できる軽さ」で選ぶ
先に答えを書きます。自宅で運動不足を解消したいなら、きつい種目を探すより、毎日続けられる軽さに設定するほうが確実です。
5分のスクワットを毎日3週間続けた人と、30分の本格メニューを3日でやめた人。トータルの運動量も、習慣の定着も、前者が勝ちます。自宅運動の強みは、強度ではなく頻度を稼げること。そこを生かさない手はありません。厚生労働省のアクティブガイドも、まず「今より10分多く動く(+10)」から始めることを国民向けの第一歩として勧めています(アクティブガイド/e-ヘルスネット)。メタ解析では、この+10で死亡リスクが約2.8%、生活習慣病の発症が約3.6%下がる可能性が示されています。
運動不足解消の全体像や公的な目標値については運動不足解消の始め方にまとめてあります。この記事はそのなかでも自宅にしぼって、今日からできるメニューだけを扱います。
器具なしでできる自宅メニュー5つ
道具はいりません。マットがあれば膝や背中が楽になりますが、なくてもカーペットやバスタオルで代用できます。次の5つで全身を一通りカバーできます。
下半身:スクワットとその場足踏み
下半身には体の大きな筋肉が集まっているので、ここを動かすと効率よく運動量を稼げます。スクワットは最初10回から。膝がつま先より前に出すぎないように、椅子に座るイメージでお尻を引きます。きつければ椅子に軽く触れながらでかまいません。
有酸素の入り口にはその場足踏みが手軽です。テレビを見ながら2〜3分、ももを少し高く上げるだけ。心拍が上がってきたら効いている証拠です。
上半身:膝つき腕立てと壁腕立て
普通の腕立て伏せがきついなら、無理に正規フォームにこだわらなくていいです。膝をついた腕立てなら負荷が下がり、回数をこなせます。それでもきつい人は、壁に手をついて行う壁腕立てから。立ったまま壁を押し返すだけなので、運動が久しぶりの人でも安全に始められます。
体幹:プランク
体幹を支えるプランクは、場所も道具もいらないのに効きます。肘とつま先で体を一直線に支え、まず20秒。お尻が上がったり腰が落ちたりしないよう、横から見て板のようにまっすぐを意識します。慣れたら30秒、45秒と伸ばします。
Photo: Marta Wave / Pexels
種目をどう組むか迷ったら、宅トレのメニュー解説で曜日ごとの組み方まで紹介しています。最初は「下半身+体幹」だけでも十分なスタートになります。
座ったまま・ながらでできる運動
まとまった時間が取れない人ほど、生活の動作に運動を混ぜると楽です。「運動の時間」を新しく作ろうとすると挫折しやすいので、すでにやっていることに乗せてしまいます。
デスクワーク中にできること
長く座り続けること自体が体に良くないので、座位を細切れにするだけでも前進です。
- 1時間に1回立ち上がって、ふくらはぎを伸ばす
- 椅子に座ったまま、かかとを上げ下げする(20回)
- 座ったまま片脚ずつ膝を伸ばして数秒キープする
オンライン会議は音声だけにして立って歩き回る、というのも有効です。座りっぱなしを減らすこと自体が運動になる、と考えると気が楽になります。
家事や歯みがきのついでに
- 歯みがきの2分間、つま先立ちでかかとを上下させる
- 料理で煮込んでいる間に、その場で足踏み
- 洗濯物を干しながら軽くスクワット
- テレビのCM中にスクワット10回
どれも「運動した」という気負いがいらないので、続けるハードルがとても低い。こうした細切れの活動の積み重ねが、結局いちばん長持ちします。
寝る前にできる全身ストレッチ
激しい運動が苦手な人は、寝る前のストレッチから入るのがおすすめです。体をほぐすだけでも柔軟性という身体活動の要素を満たせますし、入眠前のリラックスにもつながります。
Photo: Gustavo Fring / Pexels
ストレッチの基本ルール
e-ヘルスネットによると、ストレッチには前頭葉のアルファ波を増やし、心拍数を下げる副交感神経優位の効果が確認されています(e-ヘルスネット ストレッチングの効果)。だから寝る前に向いています。効かせるコツは次の通りです。
- 1部位を20秒以上かけてゆっくり伸ばす
- 痛気持ちいいところで止める(痛みは伸ばしすぎ)
- 呼吸を止めない
- 反動をつけて勢いで伸ばさない
布団の上でできる3部位
布団に入ってからでもできる手軽な3部位です。太ももの裏、お尻、背中をほぐすと、デスクワークで固まりがちな下半身が楽になります。寝る前の数分を習慣にすると、ストレッチが歯みがきのように当たり前の行動になっていきます。毎日のストレッチの組み方は毎日のストレッチ習慣でくわしく扱っています。
自宅運動を続けるコツ
自宅運動の最大の弱点は「いつでもできる」がゆえに「いつまでもやらない」ことです。ジムは行けば必ず動きますが、家は誘惑が多い。だから続けるための仕掛けが要ります。
やる場所を一箇所に決めておく
自宅運動が散らかる原因は、毎回「どこでやるか」から考えることです。リビングのこのスペース、と場所を一つ決め、できればマットを敷きっぱなしにしておく。畳んでしまうと出すのが面倒になり、その面倒が一番のサボり要因になります。視界に入る場所にマットがあるだけで、自然と上に乗りたくなります。
家のなかの行動に運動を貼りつける
ジムと違って、家には「運動を始めるスイッチ」がありません。だから自分で作ります。朝のコーヒーを淹れる前にスクワット、入浴の前にストレッチ、というように、すでに毎日やっている家の行動の直前か直後にくっつける。時間を決めるより「あの行動のあと」と決めるほうが、生活に溶け込みます。なぜ運動が続かないのかは筋トレが続かない理由で深掘りしています。
記録して楽しさを足す
やる気は枯れます。枯れる前提で、外側に頼る仕組みを用意しておきましょう。カレンダーにやった日だけ印をつけると、連続が途切れるのが惜しくなって続きます。記録の力で運動を習慣にする方法は習慣化アプリの選び方にまとめました。運動するたびにアプリの中で相棒が育つような、続けること自体を楽しくする仕組みに頼るのも、自宅運動が一人だと続かない人には効きます。
まとめ:今日5分から自宅で動き出す
自宅で運動不足を解消するのに、特別な器具も強い意志もいりません。マット1枚、なければ床。スクワット10回とストレッチ数分。それを明日も繰り返せる軽さに設計する。やることはそれだけです。
ダイエット目的で自宅運動を考えている人はダイエットが続かない人の対策も参考になります。まずは今夜、寝る前のストレッチからでも始めてみてください。
よくある質問
- 自宅で器具なしでできる運動不足解消のメニューは?
- その場足踏み、スクワット、膝つき腕立て、プランク、ストレッチの5つで一通りそろいます。マット1枚あれば十分で、なくても床でできます。最初はスクワット10回とストレッチ数分くらいの軽さで始め、物足りないところでやめておくと翌日も続きやすいです。器具を買うのは続く見込みが立ってからで遅くありません。
- 1日5分の自宅運動でも運動不足は解消できますか?
- 効果はあります。厚生労働省のアクティブガイドは「今より10分多く動く(+10)」を国民向けの第一歩として示しており、5分でも動かないよりはるかに前進です。強度より頻度が大事で、5分を毎日続けるほうが週末に1時間まとめてやるより習慣として定着しやすいです。自宅なら着替えも移動もいらないぶん、この5分のハードルがさらに下がります。慣れてきたら少しずつ時間を伸ばせば十分です。
- 寝る前のストレッチは運動不足解消に効果がありますか?
- 柔軟性の維持という意味で身体活動の一部になります。e-ヘルスネットによると、ストレッチには前頭葉のアルファ波を増やし心拍数を下げる副交感神経優位の効果があり、就寝前のリラックスに向いています。1部位20秒以上、痛くない範囲で、呼吸を止めずに伸ばすのがコツです。激しい運動が苦手な人の入り口としても無理がありません。