ダイエット

痩せる習慣リスト|科学的に太らない人がやっている8つの行動

彩り豊かな野菜中心の痩せる習慣につながるバランスの良い食事
Photo: Ella Olsson / Pexels

太っている人と痩せている人の差は、たいてい毎日の小さな行動の積み重ねにあります。同じものを食べても、片方は食べる順番を変えていたり、よく寝ていたり、無意識にこまめに動いていたりする。痩せる習慣というのは、根性で食事を断つことではありません。太りにくい行動を、いくつか毎日の習慣にしてしまうことです。以下では、行動科学と公的なデータで裏が取れている習慣を8つに絞って、なぜ効くのか、どう生活に組み込むかを順に見ていきます。

痩せる習慣リスト:先に全体像から

細かい説明に入る前に、この記事で扱う8つの習慣を並べておきます。どれも今日から試せるものばかりです。

  1. 野菜とたんぱく質を先に、炭水化物を最後に食べる
  2. 毎食たんぱく質を一品入れる
  3. こまめに動いて日常の活動量(NEAT)を上げる
  4. 1日8,000歩を目安に歩く
  5. 7時間前後の睡眠を確保する
  6. 食べたものと体重を記録する
  7. 痩せやすい環境をあらかじめ作る
  8. 1つずつ、既存の習慣にくっつけて定着させる

上の1〜2は食事、3〜4は運動、5〜7は土台と環境、8は定着のしかたです。順番に見ていきます。

食事の習慣:何を、どの順で食べるか

食事制限というと量を減らす話になりがちですが、量より先に「順番」と「内容」を整えるほうが、空腹を我慢せずに太りにくくできます。

野菜とたんぱく質を先に、ごはんを最後に

同じ食事でも、口に運ぶ順番を変えるだけで食後の血糖の上がり方が変わります。Diabetes Care誌に掲載された研究では、2型糖尿病の人に同じ献立を出し、野菜とたんぱく質を先に食べてから炭水化物を食べた日と、その逆の日を比べました。野菜・たんぱく質を先にした日は、食後30分の血糖値が約29%低く、食後2時間までの血糖上昇の総量は約73%も低かったと報告されています。インスリンの上がり方もゆるやかでした。

血糖とインスリンが急に上がるほど、余った糖は体脂肪としてため込まれやすくなります。定食なら、まずサラダや味噌汁の具、次に肉や魚、ごはんは最後。これだけで太りにくい食べ方になります。

毎食たんぱく質を一品入れる

たんぱく質は、痩せる習慣の中でも費用対効果が高い一品です。理由は二つあります。

一つは消費エネルギー。食事をすると、消化吸収のためにそれ自体でエネルギーを使います。これを食事誘発性熱産生(DIT)と呼び、厚生労働省のe-ヘルスネットによると高たんぱくの食事は低たんぱくの食事よりこのDITが高く、満腹感も長持ちするとされています。同じカロリーでも、たんぱく質が多いほうが消費に回る分が増え、腹持ちもいい。

もう一つは食べすぎの抑制です。腹持ちがいいということは、次の食事までの間食が減るということ。朝は卵か納豆、昼は肉か魚、夜は豆腐や鶏肉。難しく考えず、毎食「主菜を一品」と決めておけば足ります。

運動の習慣:激しく動くより、こまめに動く

運動と聞くとジムや長時間のランニングを思い浮かべますが、痩せている人が無意識にやっているのは、もっと地味な「日常のこまめな動き」です。

日常的に体を動かして活動量を増やす痩せる習慣の例 Photo: Andrea Piacquadio / Pexels

日常の活動量(NEAT)を上げる

ここが一番見落とされます。e-ヘルスネットによると、1日の総エネルギー消費は基礎代謝量が約60%、食事誘発性熱産生が約10%、身体活動量が約30%で構成されます。前の二つは体格と食事量でほぼ決まり、本人の中ではあまり変わりません。自分の意思で動かせて差がつくのは、残りの身体活動量です。

しかもその身体活動の多くは、運動ではなく日常の動作です。家事や立ち歩きで使うエネルギーをNEAT(非運動性熱産生)と呼び、同サイトは肥満の人は立っている時間が1日平均で約150分も短かったという研究を紹介しています。エスカレーターを階段に、近場は歩いて、座りっぱなしを避けて立つ。痩せる習慣の土台はここにあります。

1日8,000歩を目安にする

歩数は、NEATを上げる一番わかりやすい物差しです。e-ヘルスネットの「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の目安として1日約8,000歩以上に相当する身体活動が示されています。一方、令和5年の国民健康・栄養調査では平均歩数が男性6,628歩、女性5,659歩と、目安に届いていません。今より2,000歩増やすだけでも前進です。通勤で一駅手前から歩く、昼休みに少し遠回りする。歩数アプリで数字が見えると、増やしたくなります。

仕上げに自宅で数分の運動を足す

歩数で土台を作ったら、筋肉を落とさないために軽い運動を足します。減量中は筋肉も一緒に減りやすく、筋肉が減ると基礎代謝も下がって痩せにくくなるからです。ジムでなくていいので、自宅で数分のスクワットや腕立てから。何をやればいいか迷う人は、部位別・レベル別にまとめた宅トレメニューのガイドを見てください。運動そのものが続かない人は、運動不足解消の始め方に無理のない量の選び方を整理しています。

土台の習慣:睡眠と記録と環境

食事と運動を支えるのが、睡眠・記録・環境の3つです。地味ですが、ここが崩れると食事も運動も続きません。

十分な睡眠をとることが太らない習慣の土台になる Photo: Andrea Piacquadio / Pexels

よく寝る(7時間前後を確保する)

寝不足は、それだけで太りやすくなります。睡眠を1晩4時間に制限した実験では、食欲を抑えるホルモンのレプチンが減り、食欲を高めるグレリンが増え、空腹感そのものが強くなったと報告されています(PLOS Medicine, 2004)。寝不足の翌日に甘いものや炭水化物が欲しくなるのは、気の緩みではなくホルモンの反応です。厚労省のe-ヘルスネットも睡眠不足や睡眠障害が続くと肥満や生活習慣病の危険を高めるとしています。食事を頑張る前に、まず1時間早く寝るほうが効くこともあります。

食べたものと体重を記録する

記録は、それ自体が痩せる習慣になります。書き出すと食べすぎに自分で気づくようになり、選ぶものが自然と変わってくる。体重は毎日ぶれるので一喜一憂しなくていいですが、グラフにすると数週間単位の傾向が見えて、続ける手応えになります。紙でもアプリでもかまいません。記録のしくみを重視したアプリ選びは習慣化アプリの選び方に整理してあります。

痩せやすい環境を先に作る

意志に頼らず、誘惑を視界から消しておくのが環境設計です。お菓子を箱買いして家に常備すれば、夜に必ず手が伸びます。逆に、すぐ食べられる野菜やゆで卵を冷蔵庫の手前に置けば、それを取ります。買い物のときに「家に入れるもの」を選んだ時点で、その日以降の食事の大半は決まっています。我慢の量を減らすには、我慢する場面そのものを作らないのが近道です。

習慣の作り方:1つずつ、既存の行動にくっつける

痩せる習慣のリストを見て、全部やろうとすると確実に挫折します。ここからは、それをどう身につけるかの話です。

まず1つだけ、66日かけて定着させる

新しい行動はすぐには根づきません。ロンドン大学(UCL)の研究では、ある行動が考えなくてもできるようになるまで平均で66日かかり、人によっては254日かかったと報告されています。だから一度に複数を変えず、上のリストから1つ選んで、それが回り始めてから次を足す。8つを2ヶ月ごとに1つずつでも、1年あれば6つ身につきます。急ぐより、確実に積むほうが結果的に早い。

if-thenで「いつやるか」を先に決める

「気が向いたら歩く」では続きません。行動科学では、行動を「もしAしたら、Bする」という形で前もって決めておくと実行率が上がることが知られています。「電車に乗ったら一駅手前で降りて歩く」「定食が来たら野菜から食べる」「歯を磨いたら体重を測る」。このように既存の習慣の直後に新しい行動を差し込むやり方は、習慣の積み重ね(habit stacking)と呼ばれます。きっかけを既存の行動に固定すると、覚えておく必要がなく崩れにくい。

1日サボっても、翌日に戻る

完璧主義は痩せる習慣の最大の敵です。前述のUCLの研究でも、途中で1回くらい抜けても定着への影響はほとんどなかったと示されています。外食で食べすぎた日があっても、それは失敗ではなく誤差。問題は、その罪悪感で全部やめてしまうことです。食べすぎた次の食事をいつも通りに戻すだけでいい。淡々と戻れるかどうかで、半年後の体重は変わります。同じ「続かない」で悩む人は、原因が意志ではなく仕組みにあることを掘り下げたダイエットが続かない理由も参考になります。

モチベーションは「外注」していい

痩せる習慣を続けるうえで一番つらいのは、結果が出るまでの空白です。体重の変化は早くても数週間先で、その間ずっと地味な行動を続けることになります。やる気はその前に枯れる。だから、やる気を絞り出すより、やる気がなくても回るしくみに頼るのが現実的です。

記録の連続を途切れさせたくない気持ちや、誰かに見られている感覚は、根性の代わりに使える立派な道具です。運動を続けたい人には、体を動かすたびにキャラが育つような育成アプリのしくみも向いています。今日の運動にその場で手応えが返ってくるので、結果が出るまでの空白を埋めやすい。やる気が出ない日でも、相棒に会いに行く感覚で動けます。続け方そのものを道具で支えたい人は習慣化アプリの選び方も参考にしてください。

痩せる習慣に、特別な才能や厳しい節制はいりません。野菜から食べる、こまめに動く、よく寝る。太らない人が無意識にやっている行動を、1つずつ自分の習慣にしていくだけです。まずは今日の夕食を、サラダの一口から始めてみてください。

よくある質問

痩せる習慣で一番効果が大きいのはどれですか?

一つに絞るなら、日常の活動量(NEAT)を増やすことです。e-ヘルスネットによると、総エネルギー消費のうち基礎代謝が約60%、食事誘発性熱産生が約10%、身体活動量が約30%を占めます。前の二つは本人の中ではあまり変えられないので、差がつくのは身体活動量です。同調査では肥満の人は立っている時間が1日平均で約150分も短かったと報告されています。まず座る時間を減らすところからで十分です。

食べる順番を変えるだけで本当に痩せますか?

順番だけで脂肪が落ちるわけではありませんが、食後の血糖とインスリンの急上昇を抑える助けになります。Diabetes Care誌の研究では、野菜とたんぱく質を先に、炭水化物を最後にすると、食後30分の血糖値が約29%低く、食後2時間までの血糖上昇の総量は約73%低くなりました。インスリンの過剰分泌は体脂肪の蓄積に関わるため、毎食この順番にしておくと太りにくくなります。

睡眠不足だと太るというのは本当ですか?

そう示す研究があります。睡眠を1晩4時間に制限した実験では、食欲を抑えるレプチンが減り、食欲を高めるグレリンが増え、空腹感も強まりました(PLOS Medicine, 2004)。寝不足の翌日に甘いものが欲しくなるのは意志の問題ではなく、ホルモンの反応です。睡眠は食事や運動と並ぶ土台です。

痩せる習慣はいくつ同時に始めるべきですか?

一度に1つだけにしてください。複数を同時に変えると、どれも中途半端に崩れます。UCLの研究では、ある行動が考えなくてもできるようになるまで平均66日かかりました。1つを定着させ、回り始めてから次を足すほうが、結局は早く身につきます。

1日サボったら習慣はリセットされてしまいますか?

されません。同じUCLの研究では、途中で1回くらい抜けても定着への影響はほとんどなかったと報告されています。大事なのは1日も外さないことではなく、外した翌日に戻れること。食べすぎた次の食事をいつも通りに戻すだけで、連続は十分つながります。

運動が苦手でも痩せる習慣は作れますか?

作れます。激しい運動より、日常のこまめな動きのほうが続きやすく、消費への寄与も無視できません。エスカレーターを階段にする、一駅歩く、家事でこまめに立つ。そのうえで自宅で数分の運動を足せば十分です。器具なしで始められるメニューは宅トレのガイドにまとめています。

よくある質問

痩せる習慣で一番効果が大きいのはどれですか?
一つに絞るなら、日常の活動量(NEAT)を増やすことです。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、1日の総エネルギー消費のうち基礎代謝が約60%、食事誘発性熱産生が約10%、身体活動量が約30%を占めます。基礎代謝と食事誘発性熱産生は本人の中ではあまり変えられないため、自分の意思で動かせて差がつくのは身体活動量です。同調査では肥満の人は立っている時間が1日平均で約150分も短かったと報告されています。まず座る時間を減らし、歩数を増やすところからで十分です。
食べる順番を変えるだけで本当に痩せますか?
順番を変えるだけで脂肪が落ちるわけではありませんが、食後の血糖とインスリンの急上昇を抑える助けにはなります。Diabetes Care誌に載った研究では、同じ食事でも野菜とたんぱく質を先に食べ、炭水化物を最後にすると、食後30分の血糖値が約29%低く、食後2時間までの血糖上昇の総量は約73%低くなりました。インスリンの過剰な分泌は体脂肪の蓄積に関わるため、毎食この順番にしておくと太りにくい食べ方になります。
睡眠不足だと太るというのは本当ですか?
そう示す研究があります。睡眠を1晩4時間に制限した実験では、食欲を抑えるレプチンが減り、食欲を高めるグレリンが増え、空腹感そのものも強まりました(PLOS Medicine, 2004)。寝不足の翌日に甘いものや炭水化物が欲しくなるのは意志の弱さではなく、ホルモンの反応です。痩せる習慣を考えるとき、睡眠は食事や運動と並ぶ土台だと考えてください。
痩せる習慣はいくつ同時に始めるべきですか?
一度に1つだけにしてください。複数を同時に変えると、どれも中途半端に崩れます。ロンドン大学(UCL)の研究では、ある行動が考えなくてもできるようになるまで平均66日かかりました。まず1つの習慣を66日かけて定着させ、回り始めてから次を足すほうが、結局は早く身につきます。
1日サボったら習慣はリセットされてしまいますか?
されません。同じUCLの研究では、途中で1回くらい抜けても習慣の定着への影響はほとんどなかったと報告されています。痩せる習慣で大事なのは、1日も外さないことではなく、外した翌日に戻れることです。食べすぎた次の食事をいつも通りに戻す、それだけで連続は十分つながります。
運動が苦手でも痩せる習慣は作れますか?
作れます。激しい運動より、日常のこまめな動きのほうが続きやすく、消費エネルギーへの寄与も無視できません。エスカレーターを階段にする、一駅歩く、家事でこまめに立つ。そのうえで自宅で数分の運動を足せば十分です。器具なしで始められるメニューは宅トレのガイドにまとめています。

この記事を書いた人

Sora

ケア・ストレッチ担当

回復・ストレッチ・体のケアを担当。痛みなく動き続けるための、地味だけど大事なメンテナンスについて書いています。