ステッパー

ステッパーの効果と消費カロリー|何分やる?痩せる?を研究で確認

体育館で床に置いた踏み台に片足を乗せ、もう片方のひざを高く上げるステップ運動をする女性たち
写真: Staff Sgt. Orly Tyrell / Wikimedia Commons(Public domain)

ステッパーは、天気に関係なく家の中で、普通の歩行から少し速めに歩く程度までの有酸素運動ができる道具です。脚の筋肉は使いますが、脚だけを細くする効果は期待できず、筋力トレーニングは別に必要です。

消費カロリーは思ったほど大きくありません。研究で測られた強度はおよそ3〜4.5メッツで、早見表で計算すると体重60kgの人が30分踏んで約105〜135kcalです。ジムの階段昇りマシンや、階段を速く上るときの値(9.3メッツ)で計算すると、この2倍以上に膨らみます。

それでも、座りっぱなしの時間を減らし、週の運動時間を稼ぐ道具としては十分役に立ちます。厚生労働省が勧める「息が弾む程度の運動」の量なら、ペースにもよりますが1日8〜10分を毎日踏めば届く計算です。

ステッパーの効果を先に結論から

家の中で、歩くのとほぼ同じ強さの有酸素運動ができる

ステッパーの一番の利点は、天候や気温に関係なく、自宅で有酸素運動ができることです。運動の強さは踏み込むペースによりますが、おおむね普通に歩くのと同じか、少し速めに歩く程度の負荷をかけられます。

座っている時間をそのまま運動に置き換えられる

テレビを見ている時間や、スマートフォンを眺めている時間。そうした座りっぱなしの時間を、そのまま運動の時間に変えられます。

期待しすぎないほうがいいこと

期待できることと、期待しすぎないほうがいいことを表にまとめました。

期待できること期待しすぎないほうがいいこと
週の有酸素運動の時間を稼ぐ脚やお腹の部分痩せ
座りっぱなしの時間を減らすランニング並みの大きなカロリー消費
テレビを見ながら続ける脚の筋肉を大きくする(筋肥大)

研究でわかっているステッパーの運動強度

運動の強さを表す指標に「メッツ」があります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、メッツは安静に座っている状態を1として、その何倍のエネルギーを消費するかを表します。通常の歩行は3メッツに相当します。

快適なペースなら3.1〜3.6メッツ(国内の実験)

国内では、宅間らが日本理学療法学術大会で発表した実験があります。査読を経た論文ではなく学会の抄録で、対象は男子学生6名です。同じ人がステッパーとトレッドミル歩行をそれぞれ15分間、別の日に行いました。

ステッパーは快適な歩行をイメージしたペースで踏みました。呼気ガス分析で3分ごとに測ったメッツは3.1〜3.6でした。トレッドミル歩行は4.2〜4.6メッツで、どの時点でも統計的な有意差はありませんでした。ただし数字だけを見るとステッパーのほうが1メッツ前後低く、6人と少ない人数では差があっても検出しにくい点は割り引いて読む必要があります。運動終了時の太もも前とふくらはぎの主観的なきつさにも、有意な差はありませんでした。著者らは、ステッパーの足踏みは快適な速さのウォーキングの代わりとして「期待できるかもしれない」と控えめにまとめています。

自分のペースで踏むと時速5km前後の歩行と同じくらい

アメリカのメイヨー・クリニックのMcAlpineらの研究では、19人の男女(平均27歳、平均体重85kg)に、机の下に置けるよう改造したステッパーを踏んでもらいました。参加者には標準体重の人と肥満の人が混ざっており、ペースは各自に任せた1分間に約40ステップでした。

間接熱量測定の結果、ステッパーを踏んだときの平均消費エネルギーは1時間あたり376kcalでした。時速3マイル(約4.8km)の歩行(338kcal)と時速3.5マイル(約5.6km)の歩行(405kcal)の間にあたります。

体重1kgあたりに直すと1時間に4.5kcalです。椅子に座っているときと比べた上乗せ分は、1時間あたり平均289kcalでした。

ただし、2つの研究はどちらも短時間・少人数の測定で、1日を通して使ったときや長く続けたときの効果まではわかりません。

メッツ表に「ステッパー」はない(階段を速く上る値で計算しない)

ジムの窓際に置かれた、回転する階段を上り続けるタイプの大型の階段昇りマシン 写真: Teemeah / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

運動の強度を調べるときによく使われる改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』には、「家庭用ステッパー」という項目がありません。

ステッパーに近い活動の数値を表から抜き出してみます。

活動内容メッツ
テレビ視聴:コマーシャル中に足踏み2.0
歩行:時速4.5〜5.5kmのほどほどのペース3.8
階段を上る:ゆっくりなペース4.5
歩行:時速5.7〜6.3kmの速い歩行4.8
ジョギング:その場で4.8
階段を上る:全般6.8
階段を上る:はやいペース・1段ずつ9.3
ステアートレッドミルエルゴメータ(階段昇りの運動マシン)9.3

上の写真のようなジムの大型の階段昇りマシン(ステアートレッドミルエルゴメータ)は、家庭用のステッパーとは別の器具です。

研究の実測値はおよそ3〜4.5メッツなので、こうした大型マシンや階段を速く上る運動の9.3メッツを当てはめると、消費カロリーを実測に基づく値の2倍以上に見積もってしまいます。

ステッパーの消費カロリーを体重から計算する

計算式は「メッツ×時間×体重」

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、身体活動によるエネルギー消費量を次の式で推定できるとしています。改訂第2版のメッツ表の序文も同じ式です。

エネルギー消費量(kcal)=メッツ×時間(h)×体重(kg)

たとえば体重60kgの人が4.5メッツで30分(0.5時間)踏むと、4.5×0.5×60=135kcalです。この数字には、じっとしていても使う安静時の分も含まれています。なお、2006年の旧指針(エクササイズガイド2006)は同じ計算に1.05を掛けていたため、古い資料の数字はこの式より5%ほど大きく出ます。

体重別・時間別の早見表

前述の研究実測値や「階段をゆっくり上る」のメッツ値を参考に、ゆっくりめのペースを3.5メッツ、しっかりめのペースを4.5メッツと仮定して計算しました。

安静時を含んだ総エネルギー消費量の目安です。小数点以下は四捨五入しています。

強度と体重10分20分30分
3.5メッツ(ゆっくりめ)
体重50kg約29kcal約58kcal約88kcal
体重60kg約35kcal約70kcal約105kcal
体重70kg約41kcal約82kcal約123kcal
4.5メッツ(しっかりめ)
体重50kg約38kcal約75kcal約113kcal
体重60kg約45kcal約90kcal約135kcal
体重70kg約53kcal約105kcal約158kcal

McAlpineらの実測値(体重1kgあたり1時間に4.5kcal)で計算しても、体重60kgの人が30分踏むと約135kcalで、早見表の4.5メッツ・60kg・30分と同じ値になります。

安静時の分を引くと数字はもっと小さくなる

先ほどの式から安静時の分を引くと、運動で上乗せされた分だけがわかります。メッツから安静時の1を引いて計算する方法で、ガイド2023に載っている体重別の消費量の表もこのやり方です。

体重60kgの人が30分踏んだ場合、上乗せ分は3.5メッツのペースで約75kcal、4.5メッツのペースで約105kcalです。

もし階段を速く上る9.3メッツで計算すると、同じ60kg・30分で約279kcal(安静時込み)になり、早見表の4.5メッツの値(約135kcal)の2倍を超えます。

ステッパーで痩せる?脚だけ細くはならない

鍛えた部位の脂肪だけが落ちることはない

ステッパーを踏むと太ももやふくらはぎが疲れるので、脚の脂肪が落ちていくように感じるかもしれません。ただ、動かした部分の脂肪だけが先に減る「部分痩せ」は、研究では確認されていません。

Ramirez-Campilloらが2022年に発表したメタ分析は、片脚だけを鍛えるなど局所的なトレーニングを行い、鍛えた側と鍛えていない側の脂肪の変化を比べた13の研究(参加者合計1,158人、14〜71歳)を統合しました。効果量はほぼゼロ(g=−0.03)で、鍛えた部位の脂肪が特に減る現象は見られませんでした。ステッパーを使った研究ではありませんが、「脚を動かせば脚の脂肪が先に減る」という期待は、この結果からは支持されません。

ステッパーで脚が太くなるかどうかを直接調べた研究も見当たりませんでした。下半身痩せを目指す場合も、体全体の脂肪を減らしていくのが現実的な道筋です。

体重を落としたいなら1日の合計で考える

体重を減らしたいなら、ステッパーで増える消費量は、安静時の分を引いた上乗せ分(60kg・30分で約75〜105kcal)で見積もり、食事の見直しとセットで考えるのが現実的です。ガイド2023も、健康づくりには身体活動と食事を適切に組み合わせることが重要だとしています。

McAlpineらは論文の考察で、太り気味の会社員が座っている時間のうち1日2時間をステッパーに置き換え、ほかの条件がまったく変わらなければ年20kgの減量もありうる、と試算しています。測ったのは短時間の消費エネルギーだけで、実際に20kg減った人がいたわけではありません。

何分・毎日やる?時間と頻度の目安

目安は息が弾む程度で週60分

ガイド2023は、成人に対して強度3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上、1日約8,000歩以上に相当)行うことを推奨しています。

さらに、そのうち息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)行うことを推奨しています。

この週4メッツ・時をステッパーだけで満たすなら、3.5メッツのペースで週に約69分、4.5メッツなら週に約53分です。毎日踏むなら1日8〜10分、週4日なら1回14〜18分ほどです。

5分や10分に分けても効果は積み上がる

ガイド2023のQ&Aでは、「20分以上続けないと効果がない」といった最短持続時間は決まっていないと明記されています。短い時間の積み重ねでも健康増進効果が得られます。

また、「週3回以上」といった最低頻度もありません。週1回でも効果があるという報告が紹介されています。さらに、1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。

毎日踏むなら、筋トレは週2〜3日を別に足す

膝や腰に痛みがなければ、ステッパーを毎日踏んでもかまいません。違和感が出た日は休みます。

また、ステッパーは有酸素運動なので、筋力トレーニングの分は別に考える必要があります。ガイド2023は、筋力トレーニングを週2〜3日行うことも推奨しています。ステッパーの習慣に、自重でできる宅トレメニューを組み合わせてみてください。

ミニ・サイド・ツイスト、タイプで何が変わる?

ミニステッパー:上下にまっすぐ踏む

基本の形は、足を乗せるペダルが上下にまっすぐ動くミニステッパーです。McAlpineらの実験で使われたのも、市販の油圧式ミニステッパーを改造したものでした。構造がシンプルで場所を取りません。

サイドステッパーとツイストステッパー:横やひねりの動きが加わる

横方向への重心移動が加わるサイドステッパーや、ひねる動きが入るツイストステッパーもあります。

動きの方向は違いますが、タイプ同士の効果を比べた研究は見当たらず、どれがよいとは言えません。選ぶときは、置き場所の広さ、動かしたときの音や床への振動、ハンドルの有無といった使い勝手で決めてかまいません。

ステッパーがないなら踏み台昇降で代わりになる

大理石調の床に置かれた、黒と黄色の家庭用の踏み台 写真: GautamSudhanshu / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

専用の器具を買わなくても、家にある段差や丈夫な踏み台を使えば代用できます。

メッツ表の「有酸素運動:ステップ運動」は、高さ10cmで5.5メッツ、15〜20cmで7.3メッツ、25〜30cmで9.0メッツです。いずれも研究で測ったステッパーの強度(3〜4.5メッツ)より高い値です。ただし、これはステップ台を使ったエアロビクスの数字です。家にある段差を使ったやり方の詳細は、家でできる運動不足解消の方法を参考にしてください。

ステッパーのデメリットと、膝・腰を痛めない使い方

よくあるデメリット:単調、音、上半身はあまり動かない

動きが単調なので飽きやすく、機種によっては油圧シリンダーが動く音や、ペダルが下がりきったときの床への振動が出ます。脚を中心に動かすため、腕や上半身はあまり動きません。運動量を増やす手段も、速く踏むか長く踏むかくらいしかありません。

もう一つ、踏んだ回数を歩数と同じものとして数えるのは避けたほうが無難です。宅間らの実験では、同じ15分でも総歩数はトレッドミル歩行が1,696.5歩、ステッパーが1,180.8歩で、ステッパーのほうが3割ほど少なくなりました(消費カロリーには有意差なし)。1日8,000歩のような歩数の目標と照らし合わせるより、踏んだ時間で記録するほうが実態に合います。

膝・腰・股関節に不安がある人の始め方

厚生労働省のガイド2023は、運動で悪化する腰痛や膝痛、関節の変形などがある場合の工夫として、あらかじめ医師に相談する、低い強度・短い時間から始める、痛む場所に負荷がかからない運動を選ぶ、筋力トレーニングやバランス運動を加える、の4つを挙げています。肥満の人は運動で関節や筋肉を傷めやすいので注意するように、とも書かれています。膝や腰に不安がある人は、まず医師に相談してから始めてください。

ガイド2023が挙げる運動前の確認事項15項目には、「足腰の痛みが強い」「熱がある」「頭痛やめまいがする」といった項目が含まれています。一つでも当てはまる日は踏むのを休みます。

踏んでいる最中に胸の痛み、動悸、めまいやふらつき、関節や筋肉の強い痛みなどの異変を感じたら、直ちに運動を中止してください。

ふらつきが心配なら、手をつける場所で踏む

特に体力が落ちている高齢の人は、転倒に注意するようガイドが求めています。ステッパーの上でふらつくのが心配な人は、壁や手すり、動かない重い家具に手が届く場所に器具を置いて使います。ハンドル付きの機種を選ぶのも一つの方法です。

ステッパーを続けるコツは「ながら」と置き場所

テレビや動画の時間とセットにする

単調さをやわらげるには、何か別のことをしながら踏むのが手軽です。テレビや動画、音楽の時間とセットにします。

ガイド2023は、長時間の座りっぱなしをできるだけ頻繁に(例えば30分ごとに)中断することが、食後血糖値や中性脂肪などのリスクを下げるうえで重要だという報告を紹介しています。家事や仕事のすきま時間に体操などで体を動かすことも効果的だとしています。

メッツ表によれば、テレビのコマーシャル中に足踏みをするだけでも2.0メッツの活動になります。これをステッパー(3.5〜4.5メッツ)に置き換えれば、より効率的に活動量を稼げます。

置き場所を決めて出しっぱなしにする

毎回クローゼットから引っ張り出す手間があると、続きにくくなります。部屋の隅でもかまわないので、いつでもすぐに踏める場所に常設します。

週の合計時間を記録して眺める

1回5分の日があってもかまいません。記録するなら回数より踏んだ時間にして、週の合計が50〜70分に近づいているかを眺めます。カレンダーに分数を書き込むだけでも十分です。筋トレと組み合わせた1週間の組み方は自宅トレーニングの始め方に、続けるための工夫は宅トレ全体の進め方にまとめています。

よくある質問

ステッパーは1日何分やればいい?
厚生労働省は、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)勧めています。ステッパーの強度で計算すると、ゆっくりめのペースなら週に約69分、しっかりめなら約53分です。毎日なら1日8〜10分、週4日なら1回14〜18分ほどになります。短い時間を何回かに分けて積み重ねてもかまいません。
ステッパーは毎日やっても大丈夫?
膝や腰に痛みがなければ毎日踏んでもかまいません。ただし、関節に違和感が出た日や、足腰の痛みが強い日は無理をせずに休んでください。
ステッパーで脚は太くならない?
ステッパーで脚が太くなるかどうかを直接調べた研究は見当たらず、太くなる・ならないのどちらとも言い切れません。手脚の片側だけを鍛えて反対側と比べた研究をまとめた分析では、鍛えた側の脂肪が特に減ることも確認されていません。脚の見た目を変えたいなら、食事を含めた1日の合計で体全体の脂肪を減らす考え方が基本です。

この記事を書いた人

Mei

習慣・宅トレ担当エディター

ZEN LABO のエディター。宅トレと「続け方」を中心に、ゼロから始める人でも無理なく運動を習慣化できる方法を発信しています。