1万歩は何キロ・何分?歩幅別の早見表と自分の歩幅の測り方
1万歩は、歩幅60〜70cmの人なら約6〜7kmの距離になります。1分間に100歩のペースで歩くと、時間は約100分(1時間40分)かかります。この2つの前提は、国の健康づくり計画「健康日本21」の換算がもとになっています。
ただ、歩幅には個人差があります。歩幅50cmの人なら1万歩は5.0km、75cmの人なら7.5kmで、同じ歩数でも2.5kmの差が出ます。よく聞く「6〜7km」は、歩幅60〜70cmの人の数字です。
毎日の運動として歩くなら、距離は自分の歩幅で、時間は自分のペースで計算し直すと、数字が実感に合ってきます。
結論:1万歩は約6〜7km、時間は約1時間40分
距離は「歩数×歩幅」で計算できる
歩幅が60cm(0.60m)の人の場合、10,000歩×0.60m=6.0kmとなります。歩幅が70cm(0.70m)の人なら、10,000歩×0.70m=7.0kmです。
「6〜7km・約100分」の出どころは健康日本21
2000年に始まった厚生労働省の健康日本21(第一次)の「身体活動・運動」の章には、「1,000歩は約10分の歩行で得られる歩数であり、距離としては600〜700mに相当する」と書かれています。
ここから次の2つがわかります。
- 1,000歩で600〜700m進むということは、1歩の歩幅が60〜70cmである
- 10分で1,000歩を歩くということは、1分間に100歩のペースである
どちらも10倍すると、1万歩は6〜7km、100分(1時間40分)になります。
8,000歩・5,000歩・3,000歩ならどのくらいか
同じように、歩幅60〜70cm・1分100歩のペースを前提として計算すると、次のようになります。
- 8,000歩 = 約4.8〜5.6km・約80分
- 5,000歩 = 約3.0〜3.5km・約50分
- 3,000歩 = 約1.8〜2.1km・約30分
歩数と距離の早見表(歩幅50〜75cm)
早見表:3,000歩・5,000歩・8,000歩・1万歩は何キロか
| 歩幅 | 3,000歩 | 5,000歩 | 8,000歩 | 1万歩 |
|---|---|---|---|---|
| 50cm | 1.5km | 2.5km | 4.0km | 5.0km |
| 55cm | 1.65km | 2.75km | 4.4km | 5.5km |
| 60cm | 1.8km | 3.0km | 4.8km | 6.0km |
| 65cm | 1.95km | 3.25km | 5.2km | 6.5km |
| 70cm | 2.1km | 3.5km | 5.6km | 7.0km |
| 75cm | 2.25km | 3.75km | 6.0km | 7.5km |
※歩幅60〜70cm・1分100歩が健康日本21(第一次)の換算の前提です。自分の歩幅は次の章の方法で測れます。
「身長−100cm」は高齢者の歩幅の目安
身長から歩幅を見積もる簡易式に、「身長(cm)−100」があります。森耕平氏らが2024年に『ヘルスプロモーション理学療法研究』に発表した論文では、大塚らの報告として「高齢者の通常歩行時の歩幅は『身長−100cm』の簡易算出式に適合するとされる」と紹介されています。
同じ論文は、歩幅は身長に左右されるため、はっきりした基準値はないとも述べています。若い人や男性にこの式が当てはまるかは、この論文では調べていません。森らの調査でも、高齢女性133人のうち114人は、実測の歩幅がこの式の値以上でした。
高齢女性133人の歩幅は平均50〜64cm
森ら(2024)の研究は、65歳以上の地域に住む女性133名を対象に行われました(3つの群の平均年齢は76.5〜78.6歳、平均身長は147.2〜152.8cm)。
歩幅が「身長−100cm」に届かない群(19名)、届くが+10cm未満の群(53名)、+10cm以上の群(61名)に分けると、普段の速さで歩いたときの実測歩幅の平均は、それぞれ50.3cm、57.2cm、63.6cmでした(屋内の測定用シートの上を裸足で歩いて測定)。
歩幅が50.3〜63.6cmだとすると、1万歩を歩いたときの距離は約5.0〜6.4kmになります。「1万歩で7キロ歩けなかった」と他人と比べて落ち込むことはありません。
同じ研究では、実測歩幅が「身長−100cm+10cm」未満だったグループは、それ以上のグループよりも下肢筋力(膝を伸ばす力や、30秒間で椅子から立ち上がる回数)が有意に低く、「身長−100cm」未満のグループは、動的バランスをみるテスト(Timed Up & Go test)の所要時間も有意に長かったと報告されています。
高齢の女性では、歩幅が脚の力の目安になりうるということです。無理に大股で歩かなくてかまいませんが、ときどき歩幅を測っておくと、体力の変化に気づく手がかりになります。なお、これは女性高齢者133名の横断研究であり、歩幅を広げれば脚力が上がるという因果関係を示したものではありません。
自分の歩幅を測る2つの方法
写真: David Adam Kess / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
メジャーで10歩分を測る
普段履いている靴で、いつもの速さで数歩歩いて勢いをつけます。そこから10歩分の距離を、かかとからかかとまでメジャーで測り、その数字を10で割ります。10歩で6m50cmなら、歩幅は65cmです。
1歩だけで測ると誤差が大きくなるため、10歩の平均をとるのがコツです。2〜3回繰り返して平均を出せばさらに安定します。
ここでいう歩幅は、片足が着地してから反対の足が着地するまでの1歩分です。英語圏の計算ツールにある「stride」は、右足から次の右足までの2歩分を指すことがあるので注意してください。
距離がわかるコースを歩いて歩数を数える
写真: Hirho / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)
メジャーがなければ、路面や看板に距離表示がある公園の周回コースや、陸上競技場のトラックなどを普段どおりのペースで歩きます。スタートからゴールまで歩数計アプリで歩数を数え、「距離÷歩数」を計算すれば自分の歩幅が出ます。
歩数計アプリやスマートウォッチの設定を実測値に合わせる
写真: Melyanac / Wikimedia Commons(CC0)
歩数計アプリの距離が、実際に歩いた道のりと合わないことがあります。距離の計算方法は機種やアプリによって違い、初期設定で入力した身長から歩幅を割り出しているものもあります。
アプリや機種によっては、設定画面で歩幅を直接入力したり、身長を直したりできます。実測した歩幅に合わせておけば、距離のずれは小さくなります。どの歩数計アプリを使うか迷っているなら、目的別に比べた歩数計アプリの選び方や無料で使えるかわいい万歩計アプリも参考にしてください。
1万歩にかかる時間と消費カロリー
1分100歩なら1万歩は約100分
歩数を時間に直すとき、歩幅は関係しません。決め手は1分間に何歩進むかです。
先ほど紹介した健康日本21の「1,000歩は約10分」という基準も、厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023(成人の推奨事項)にある「60分の歩行は約6,000歩に相当」という説明も、どちらも1分間に100歩前後のペースで歩く計算になっています。
1日8,000歩は「80分歩く」という意味ではない
ガイド2023(成人)では、60分の歩行が約6,000歩に相当し、さらに家事などの軽い生活活動(3メッツ未満)が1日約2,000歩に相当するため、合計で約8,000歩になると説明されています。
ガイドの推奨そのものは、歩行かそれ以上の強さの身体活動を1日60分以上行うことです。通勤や買い物で歩く時間を合わせて1日60分ほどになれば、家の中での細かな動きを足して約8,000歩、という計算です。
早歩きにすると時間はどう変わるか
1分間に120歩のペースでテンポよく歩いたとすると、1万歩にかかる時間は約83分(10,000÷120)に縮まります。
森ら(2024)が引用する先行研究では、普段の歩幅が広い人ほど普段の歩く速さも速い(相関係数r=0.78)と報告されています。早歩きのときの歩幅は普段と違うことがあるので、早歩きの距離を知りたいなら、早歩きの歩幅も測っておくと確実です。運動強度を上げたい場合はインターバル速歩を取り入れるのも一つの方法です。
1万歩の消費カロリーは体重60kgで約300kcal
健康日本21(第一次)の資料では、体重60kgの人が時速4km(分速70m)・歩幅70cmで10分(700m・1,000歩)歩いたときの消費エネルギーを30kcalとしています。ここから、1日あたり300kcalのエネルギー消費は1万歩に相当すると計算されています。この300kcalは、座って休んでいるときに使う分も含めた量です。
体重や歩く速さで変わるので、自分の体重での数字はウォーキングの消費カロリーの計算方法で確かめてください。
日本人の平均歩数と、目標にしたい歩数
20歳以上の平均は7,071歩(令和6年)
令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要によると、20歳以上の歩数の平均値は7,071歩(年齢調整値7,231歩)でした。男女別では、男性が7,763歩、女性が6,495歩です。
年齢層で見ると、20〜64歳の平均は男性8,564歩、女性7,287歩。65歳以上になると男性6,667歩、女性5,429歩となっています。
7,071歩を距離に直すと、歩幅60〜70cmの人でおよそ4.2〜4.9kmに相当します。なお、この調査は三次元加速度センサー式歩数計で測り、1日装着しなかった人や、100歩未満・5万歩以上の人を除いて計算しています。
厚労省の目安は20〜64歳で8,000歩、65歳以上で6,000歩
健康日本21(第三次)身体活動・運動の目標では、令和14年度の目標として、1日の歩数の平均値を次のように定めています。
- 20〜64歳:男女とも8,000歩
- 65歳以上:男女とも6,000歩
- 20歳以上の総計:7,100歩
20〜64歳の8,000歩と65歳以上の6,000歩は、ガイド2023が個人に勧めている歩数と同じです。6,000歩を先ほどの高齢女性の歩幅(平均50〜64cm)で距離にすると、約3.0〜3.8kmです。1万歩にこだわらなくていい根拠は、Paluchらのメタ解析も含めて歩数計アプリの記事の「1日何歩が目安?」の章で紹介しています。
2000年の国の計画では「1日1万歩」が理想とされた
2000年に始まった健康日本21(第一次)は、成人の個人目標の例に「1日平均1万歩以上歩くことを目標に」と書いていました。
この計画は、身体活動量と死亡率などを調べた疫学研究の結果から、「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられるとしていました。その根拠は、海外の文献で勧められていた「1日約300kcal以上」の消費が、体重60kgの人なら1万歩に当たる、という計算でした。
当時の平成9年度国民栄養調査の1日平均歩数は、男性8,202歩、女性7,282歩でした。1日1万歩以上歩いている人は男性で29.2%、女性で21.8%にとどまっており、国民全体の平均歩数の目標は、当時の平均から男女とも1,000歩増の「男性9,200歩・女性8,300歩程度」とされていました。
いまの目安の8,000歩(20〜64歳)と6,000歩(65歳以上)は、当時の個人目標より2,000〜4,000歩少ない数字です。
1万歩を歩かないと意味がないのか
7,000歩でも死亡リスクは大きく下がっていた
シドニー大学が2025年7月に出した発表によると、Dingらは『Lancet Public Health』に載せた論文で、2014年から2025年にかけて日本を含む10か国以上で行われた57件の研究をまとめて分析しました。1日2,000歩の人と比べて、7,000歩の人では早期死亡のリスクが47%低く、この低下幅は1万歩の場合とほぼ同じでした。
認知症のリスクについても、7,000歩で38%低下し、1万歩での追加の低下は7%にとどまりました。2型糖尿病のリスクは1万歩で22%、1万2,000歩で27%低下しています。研究者らは、7,000歩を超えると調べた健康指標の多くで追加の利益は小さかったと指摘しています。
ただし、これは歩数を測った人をその後追跡した観察研究をまとめたもので、歩数を増やせばリスクが下がるという因果関係を示したものではありません。
すでによく歩いている人にとっての1万歩
同発表の中で、研究の共著者は「すでに活動的な人には1日1万歩は素晴らしい」とも述べています。すでによく体を動かしている人なら、1万歩を目標にしてかまわないということです。
一方で、ただ歩数を増やすだけでは補えない体力もあります。信州大学の能勢博氏らのグループ(JTRC)の比較では、毎日1万歩を歩いても脚の筋力や持久力は増えなかったといいます。脚の力もつけたいなら、速歩3分とゆっくり歩き3分を繰り返すインターバル速歩のように速さに強弱をつけたり、筋力トレーニングを足したりする方法があります。
今の歩数に1,000歩(約10分)足すところから
運動不足を感じているなら、目標は低めから始めてかまいません。シドニー大学の発表は、2,000歩を4,000歩に増やす程度でも健康上の利益と関連すると説明しています。
健康日本21(第一次)の換算を使えば、今の生活にあと10分(600〜700m)歩く時間を足すと、1,000歩増やせます。少し遠くのコンビニへ行く、一つ先のバス停まで歩くといった工夫で十分です。
運動に慣れていない人は、運動不足を何から始めるかをまとめたロードマップを参考にしてください。歩く理由が欲しいなら、歩くほど進む位置情報ゲームがきっかけになります。
なお、心臓病や糖尿病、関節の痛みなどの持病がある人や、医師から運動を制限されている人は、歩数を増やす前に必ず主治医に相談してください。
よくある質問
- 1万歩は何分かかりますか?
- 1分100歩のペースで歩くと約100分(1時間40分)かかります。早く歩けば時間は短くなり、ゆっくり歩けば長くなります。
- 8,000歩は何キロですか?
- 歩幅60〜70cmの人なら約4.8〜5.6kmです。歩幅が50cmなら約4.0kmになります。
- 自分の歩幅はどうやって測りますか?
- いつもの歩き方で10歩分の距離を測り、10で割るのが簡単です。または、距離がわかる公園の周回コースなどを歩いて、距離を歩数で割る方法もあります。